ETFと投資信託は資産運用の代表的な金融商品として、多くの投資家に利用されています。しかし、これらの商品にもリスクが存在し、正しく理解しないと損失を被る可能性があります。
本記事では、ETFと投資信託の共通リスクと、それぞれに特有の注意点を詳しく解説します。これを読むことで、初心者でも安心して投資判断ができるようになるでしょう。
1. 価格変動リスク(市場リスク)
ETFや投資信託は株式や債券、不動産などの資産に投資し、その価格に連動して価値が上下します。したがって、投資元本は保証されておらず、価値が下がることもあります。特に株式を中心とした商品は価格の変動幅が大きいため、長期的な視点での保有とリスク許容度に応じた資産配分が重要です。
2. 流動性リスク
流動性リスクとは、「売りたいときにすぐに売れない可能性」のことです。ETFは証券取引所で取引されるため流動性が比較的高いですが、取引量の少ない銘柄は売買が成立しにくいことがあります。投資信託は販売会社での申込や解約となり、換金に時間がかかる場合もあるため注意が必要です。
3. 手数料や費用の違い
ETFと投資信託では手数料体系が異なります。ETFは購入時に売買手数料がかかり、信託報酬(運用管理費用)も発生します。投資信託も信託報酬のほか、販売手数料や解約手数料がかかる場合があります。手数料は運用成績に影響するため、低コストの商品を選ぶことが成功の鍵となります。
4. 分配金と再投資の注意点
分配金は投資家の収益の一部ですが、分配方法によっては元本が減ることがあります。特に元本払戻金を含む分配金(たこ足配当)は資産形成の妨げになる可能性があるため注意が必要です。分配金の再投資を行うことで複利効果を高められます。
5. 信託期間・償還リスク
投資信託には信託期間が設定されていることがあり、期間終了時には償還されます。償還時の基準価額によっては元本割れすることもあります。ETFの場合は上場廃止のリスクもあるため、注意が必要です。
6. その他のリスク
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為替リスク:海外資産への投資時に為替変動で損失が出る可能性があります。
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信用リスク:債券などの発行体の信用状況悪化によるリスク。
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政策リスク:税制変更や規制強化により運用に影響が出ることもあります。