ETF(上場投資信託)と聞くと、インデックスに連動する「パッシブ運用型」の商品を思い浮かべる方が多いかもしれません。しかし近年では、ETFにも「アクティブ運用型」が登場し、選択肢が広がっています。
この記事では、インデックスETFとアクティブETFの違いについて、初心者にもわかりやすく解説します。
インデックスETFとは
インデックスETFは、日経平均株価やTOPIX、S&P500など、特定の指数(インデックス)に連動することを目指して運用されるETFです。
指数の動きに合わせて銘柄を自動的に組み入れ、なるべく指数と同じ値動きを再現するよう設計されています。これを「パッシブ運用」と呼びます。
主なインデックスETFの例
- 日経225連動型上場投資信託(1321)
- TOPIX連動型上場投資信託(1306)
- S&P500連動型ETF(2558)
アクティブETFとは
アクティブETFは、特定の指数には連動せず、ファンドマネージャーが市場を分析しながら、成長が見込まれる銘柄を積極的に選んで運用するETFです。
インデックスを上回る成果(アルファ)を狙うため、「アクティブ運用」と呼ばれます。米国ではすでに一般的ですが、日本国内でも徐々に商品数が増えています。
アクティブETFの特徴
- 指数ではなく、独自の運用方針に基づいて構成銘柄を選定
- ファンドマネージャーの判断でリバランスされる
- インデックスを上回るリターンを目指す
両者の違いを比較
項目 | インデックスETF | アクティブETF |
---|---|---|
運用方針 | 指数に連動(パッシブ) | 銘柄を選定し積極運用(アクティブ) |
運用コスト | 比較的低い | やや高め |
リスク | 市場全体に連動し安定しやすい | 銘柄選定により上下が大きい可能性 |
リターンの期待 | 市場平均に近い | 市場平均を上回る可能性も |
透明性 | 構成銘柄が明確 | 頻繁な変更あり不透明になりがち |
インデックスETFのメリット・デメリット
メリット
- 信託報酬が低く、コスト負担が少ない
- 市場全体に広く分散投資ができる
- 運用が安定していて長期投資に向いている
デメリット
- 市場平均を超えるリターンは狙いにくい
- 相場全体が下落すれば同じように下がる
アクティブETFのメリット・デメリット
メリット
- 市場平均を上回る運用成果を目指せる
- テーマ性のある投資(AI関連、脱炭素など)も可能
デメリット
- 信託報酬が高くなりがち
- 成績がファンドマネージャーの腕に左右される
初心者にはどちらが向いている?
長期的にコツコツと資産を増やしていきたい初心者には、まずはコストが低くてシンプルなインデックスETFがおすすめです。
一方、投資に慣れてきて「特定のテーマに投資したい」「高いリターンを狙いたい」という方には、アクティブETFも魅力的な選択肢となるでしょう。
まとめ
インデックスETFとアクティブETFは、運用スタイルもリスク・リターンの特性も異なる商品です。
どちらが良いかは一概には言えず、目的や投資スタイルによって選ぶ必要があります。まずは基本を理解し、自分に合ったETFを見つけていきましょう。