投資において「ポートフォリオを組む」ことはよく知られていますが、それを維持・調整する「リバランス」の重要性は意外と見落とされがちです。
今回は、リスクを抑えて長期的に資産を育てるための「ポートフォリオの見直し方法とリバランスのベストなタイミング」を初心者にもわかりやすく解説します。
リバランスとは?
リバランス(Rebalance)とは、運用中に崩れた資産配分を元のバランスに戻す作業のことです。
例えば、株式50%・債券50%で始めたポートフォリオが、株価上昇で株式70%・債券30%になった場合、株式を一部売却して債券に充てることで、再び50:50のバランスに戻します。
目的は、リスクを一定に保つこと。リバランスを怠ると、想定よりもリスクを取りすぎてしまうことがあるため、安定運用には欠かせません。
リバランスが必要な理由
- リスク許容度に合った配分を維持:リスクをコントロールするには、最初に決めた配分を保つことが重要です。
- 高くなりすぎた資産を売り、安くなった資産を買う:結果として「逆張り」の効果があり、効率的な資産運用になります。
- 長期投資において精神的負担を減らせる:暴落局面でも冷静に対応できるようになります。
リバランスのタイミングはいつ?
リバランスは「定期型」と「乖離型」の2つの方法があります。
① 定期型リバランス
- 年1回 or 半年に1回など、定期的に見直す方法
- NISAやつみたてNISAの積立タイミングと合わせると効率的
- メリット:習慣化しやすく、管理が簡単
② 乖離型リバランス
- 目標配分から±5%や10%以上ずれたときに調整
- 株式などのボラティリティが高い資産が大きく変動したときに有効
- メリット:市場環境に応じた柔軟な対応ができる
初心者には「年1回の定期型」がおすすめです。年末や誕生日など、忘れにくいタイミングで実施するとよいでしょう。
リバランスの方法(実践例)
リバランスの基本ステップは以下のとおりです:
- 現在のポートフォリオ構成比を確認(証券口座で確認可能)
- 目標配分とのズレをチェック
- 過剰に増えた資産を売却 or 積立比率を調整
- 不足している資産を買い増し
例:目標が株式50%、債券30%、REIT20%だったのが、
実際は株式60%、債券25%、REIT15%になっていたら、株式を一部売却して、債券とREITに資金を振り分けます。
リバランスに向いているタイミング
- 年末年始(税制や制度変更の確認も兼ねる)
- ボーナスや臨時収入があったとき
- 相場が大きく動いた直後(株価暴騰・暴落など)
- NISAの非課税期間終了前
ポイント:「焦って売買しない」こと。感情に左右されず、機械的にリバランスするのが理想です。
まとめ|「投資したら放置」ではなく、年1回の見直しを
長期投資の最大の敵は「放置しすぎ」です。
せっかくリスク分散されたポートフォリオでも、放っておけばバランスが崩れ、意図しないリスクを抱えてしまうことも。
だからこそ、年1回の見直し・リバランスを習慣にしましょう。
定期的に見直すことで、リスク管理ができ、精神的にも安定した投資が可能になります。
あなたの資産を「守りながら増やす」ために、リバランスを味方につけましょう!