REIT(リート)とは「Real Estate Investment Trust(不動産投資信託)」の略で、投資家から集めた資金で不動産を購入・運用し、得られた賃料や売却益を分配する商品です。
日本で取引されているREITは「J-REIT(ジェイ・リート)」と呼ばれ、東京証券取引所に上場しているため、株式と同じように売買できます。
では、REITにはどんなメリットとリスクがあるのでしょうか?この記事でわかりやすく解説します。
REITの主なメリット
① 少額から不動産投資ができる
REITは1万円前後から購入可能な商品が多く、通常数千万円必要な不動産投資のハードルを一気に下げてくれます。
② 高い分配金利回り
REITの分配金利回りは3〜5%前後が一般的で、銀行預金や国債と比べて高水準。インカムゲイン(定期的な収益)を狙う人に人気です。
③ 複数の不動産に分散投資
1つのREITで、オフィスビル・マンション・物流施設など複数の物件に間接的に投資できます。リスク分散に役立ちます。
④ プロが不動産運用を代行
REITは運用会社が専門的な知識で不動産の購入・管理・賃貸を行うため、投資家は手間をかけずに資産運用が可能です。
⑤ 流動性が高く、売買しやすい
東証に上場しているため、株式と同様にリアルタイムで売買可能です。現金化しやすい点も魅力です。
REITの主なリスク
REITは元本保証ではなく、当然ながらリスクも存在します。
① 価格変動リスク
REITの価格は景気・金利・地価・為替などの影響を受けて上下します。急な暴落や分配金の減少もあり得ます。
② 空室・テナントリスク
保有物件の空室率が上がったり、テナントが撤退した場合、賃料収入が減少し分配金が減る可能性があります。
③ 自然災害や地震リスク
日本は地震・台風の多い国。保有物件が被災した場合、損害や修繕コストが発生し、価格や分配金に影響を及ぼします。
④ 金利上昇リスク
REITは借入金(レバレッジ)を活用して物件を購入しているため、金利が上昇すると利払い負担が増え、分配金が減少する可能性があります。
⑤ 為替リスク(海外REITの場合)
米国REITなど海外REITに投資する場合は、為替の影響も受けます。円高になれば、円ベースでの利益が減少することがあります。
REITのメリットとリスクを表で比較
メリット | リスク |
---|---|
高い分配金利回り(3〜5%) | 価格変動で元本割れの可能性 |
少額から始められる | 空室・テナントの撤退リスク |
プロに運用を任せられる | 地震・自然災害の影響 |
不動産に間接的に分散投資 | 金利上昇時の分配金低下リスク |
株式のように売買しやすい | 海外REITは為替リスクあり |
REITはこんな人におすすめ
- インカムゲイン(定期的な収益)を重視したい人
- 不動産投資に興味があるが、自己管理は難しい人
- 株式・債券以外の資産をポートフォリオに加えたい人
- NISAや特定口座で効率よく資産運用したい人
ただし、リスクを理解した上で分散投資の一部として活用することが重要です。
まとめ|REITの魅力と注意点をバランスよく理解しよう
REITは、少額・高利回り・分散投資・プロ運用といった魅力を持つ反面、価格変動・自然災害・金利上昇などのリスクもある商品です。
メリットだけに目を向けず、リスクにも備えることで、REITを安定した資産形成の一部として活用することができます。
ポートフォリオの一部として、賢くREITを組み込んでみてはいかがでしょうか?